開催概要

年会長ご挨拶

エピジェネティクスは、 Waddingtonが1942年に個体発生を理解するために提唱して以来、今では、遺伝子発現をはじめとする染色体制御やゲノム進化、さらには集団遺伝学や生態学まで含め、多くの生命現象の制御基盤を示す重要な概念となっています。一方で、がんや再生医療をはじめとする疾患の予防、診断、治療、また、薬学、農学などの応用科学にも大きな影響を与え、研究分野として大きな広がりと深化をみせています。それにともない、「エピジェネティクス」という概念にもいろいろな異なる解釈が生まれてきました。Wikipediaからそのいくつかを以下に並べます(一部改変)。

  • 「遺伝物質からはじまり最終的な生物を形づくるすべての制御された過程」(Waddington, 1942)
  • 「同一遺伝子型の細胞が異なる表現型を細胞分裂を越えて維持していること」の説明(Nanney, 1958)
  • 「複雑な生物の発育中における遺伝子活性の時間的·空間的制御機構の研究」(Holliday, 1990)
  • 「体細胞分裂あるいは減数分裂に伴う遺伝子機能におけるDNA配列の変化では説明できない遺伝的な変化の研究」(リッグス, 1996)
  • 「DNA塩基配列の変更を伴わない染色体の変化に起因する安定した遺伝性の表現型を示すもの」(Berger et al, 2009)

うーん、色々とあります。「遺伝子の変化を伴わない」というのがポイントになるようですが、結局「なんでもあり」のようにも思えます。そこで、今回の年会では「え、これもエピジェネティクス?」というような話も含めて、広い範囲の演者の方のお話しをお聞きできないか考えました。北海道東部の中標津に行けばHPに掲載したような360°広がる地平線を見ることができます。そこで今年の年会は「エピジェネティクスの地平線」と銘打って、ユニークかつ多彩な視点で研究をされている方に演者としてお集まり頂きました。「地平線」は実在するものではありません、地平線を目指して行っても、常に地平線は先にあります。また、今自分が居る場所も他の場所からみれば地平線にもなります。エピジェネティクス研究分野の広がりを語る上で、まさに「地平線」は言い得て妙ではないでしょうか(自画自賛)。

年会の形式は今までの良き伝統である一会場での発表・討論形式を守りながら行います。ポスターからのショートトークも予定しておりますので、是非発表を検討して頂ければ幸いです。そして、参加者全員で熱い議論ができることを期待しております。

5月下旬の北海道は春〜初夏に移る時期で実に過ごしやすい季節に入ります。会場近くの大通り公園では「ライラック祭り」も開催され、会場の向かいの北大植物園も緑が濃くなる時期です。あの、すすきのも徒歩圏となります。熱い議論の合間、あるいは前後に北海道の自然と食物を堪能して頂ければと思っています。

北の大地で多くの参加者の方とお会いできることを楽しみにしております。

北海道の大地より、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第12回日本エピジェネティクス研究会年会
年会長  村上 洋太
北海道大学大学院理学研究院化学部門・教授


写真提供:北海道中標津町

開催概要

会議名称

和文名 第12回日本エピジェネティクス研究会年会
英文名 The 12th Annual Meeting of the Japanese Society for Epigenetics

主催

日本エピジェネティクス研究会
年会長 村上 洋太(北海道大学)

開催日

2018年5月24日(木)・25日(金)の二日間

会場

かでる2・7(北海道⽴道⺠活動センター)

「会場案内」ページへ

参加予定人員

400名

開催内容

一般講演(10題)、ショートトーク(10題)、ポスター発表(約120題)、ほか、企業展示を予定しております。

年会公式ウェブサイト

https://jse.cambria.ac/2018/

事務局・お問合せ先
第12回日本エピジェネティクス研究会年会事務局

〒060-0810 札幌市北区北十条西8丁目
北海道大学 大学院理学研究院化学部門 生物有機化学研究室 村上洋太
TEL:011-706-3813 FAX:011-706-3813
E-mail:yota@sci.hokudai.ac.jp

受付事務局

〒001-0010 札幌市北区北十条西4丁目1-9 SCビル1階
株式会社スペースタイム 担当:中村景子
TEL:011-716-1357 FAX:011-716-1357
E-mail:nakamura@stxst.com